LEDランタンの明るさ単位「ルーメン」をワット換算すると

電源の取れない場所での光源として、アウトドアや災害発生時の備えとして利用されるランタン。

かつては、ホワイトガソリンやガスなどの液体燃料を燃焼させ、マントルと呼ばれる合成繊維の網を発光させる燃料系のランタンが主流でした。

しかし最近ではLEDランタンの明るさ性能が向上し従来の燃料系ランタンの代替品として使えるような商品も出てきました。

これまで、明るくてもせいぜい数百ルーメン程度だったLEDランタンも、2015年の新商品あたりから、パイオニアであるジェントスや人気ブランドのコールマンから1000ルーメンを超える明るさの商品も登場してきました。

ここ最近では百ルーメン台後半の商品や1000ルーメンを超える明るさのLEDランタンもいくつか登場し、LEDランタンの使用シーンが、テーブルランタンからメインランタンへと変化しています。

そんな明るさ性能がアップしてきているLEDランタンですが、「燃料系ランタンとLEDランタンの明るさってどれくらい違いがあるのか?」とふと疑問に思いまして調べてみました。

燃料系ランタン、LEDランタン、それぞれの商品は明るさスペックの表記に違いがあります。

[LEDランタンの明るさ表示]

LEDランタンの明るさ表示は各メーカー殆どが採用している「ルーメン(lm)」という単位です。これはLEDランタンに限らず家庭用のLED照明などLED照明商品全般で採用されている単位です。
従来の白熱電球では明るさの表記方法(目安)として「ワット(W)」を採用していました、ワットは本来消費電力を表す単位で明るさの単位ではありませんが電球では「消費電力」と「発光量」に関係性がありますのでわかりやすいワット表示となっています。
LED光源では発光効率が素子によりバラつきがあり消費電力=明るさとはならないので光源からの光の量を表す単位「ルーメン(lm)」を採用しているのではないかと思われます。

[燃料系ランタンの明るさ表示]

燃料系ランタンの性能表示はワット表示を採用しているメーカーが多いので電球との比較ではわかりやすいです、そもそもランタンが電気の無い場所での電球代わりとして使うためのものなので電球と比較したほうがわかりやすかったのでしょう。

[光の明るさの単位]

光の明るさ表現にはいくつかの単位があります、「ワット」はさておき最近良く見かけるLEDの明るさを表現する「ルーメン」や蛍光灯の明るさを表現する「ルクス」など、でもいまひとつピンと来ないものです。
光の単位の関係図というわかりやすい資料が「光と光の記録」というサイトにありましたので借りてきます。

光束の単位:ルーメン(lm)
単位時間あたりに放射される光の量

照度の単位:ルクス(lx)
単位面積あたりに入射する光束

即ち光束(ルーメン)は発光する側の単位、照度(ルクス)は受光する側の単位といえます。

ワットは発光する側の単位ですから定義さえしっかりとしていればルーメンとの相関関係はあるといえます。

次に電球の明るさ単位であるワットとルーメンの相関関係の表が(社)日本電球工業会のサイトにありましたので参照します。

この表からLEDランタンの代表的な商品を換算表示すると
ジェントスの EX-777XP は25(W)程度
ジェントス EX-777XP

ジェントスの SOL-016B は50(W)弱
ジェントス SOL-016B

ジェントスの EX-1000C は70(W)程度
ジェントス EX-1000C

コールマンの ミレニア は70(W)程度
コールマン ミレニアLEDランタン

に相当することになります。

明るさを比較する燃料系ランタンのワット数は
コールマンのノーススターチューブマントルランタンは公称値230(W)
コールマン ノーススターチューブマントルランタン

スノーピークのギガパワーガスランタンは170(W)
スノーピーク ギガパワーガスランタン

SOTO虫の寄りにくいランタンST-233は230(W)
SOTO 虫の寄りにくいランタンST-233

こうしてみるとガスランタンやホワイトガソリンのランタンの明るさは相当なものです。

確かにフリーサイトなどで、中央部に高々と吊るされたランタンは、眩しいくらいハイパワーなものもあります。

あの、ランタンスタンドに吊るしてキャンプサイト全体を煌々と照らす、憧れのメインランタンになるにはまだまだ道は遠そうです。

ただ、お隣さんに眩しくない程度の、自分のサイトのみを照らすランタンとして考えれば、1000ルーメン越えの機種ならば十分にメインランタンとしての役割を果たすことはできそう。

燃料系のランタンはメンテナンスや取り扱いが難しそう、と心配している初心者の方、電球に換算して70(W)相当のLEDランタンだけでも十分にキャンプ場の夜を楽しむことはできますので、まずは入門用としてLEDランタンを導入してみてはいかがでしょうか。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする