【カセットデッキ】今でも買える昭和の音楽再生機

昭和の時代には音楽再生プレーヤーといえば「カセットテープ」という磁気テープに保存したデータを再生する「カセットデッキ」が主流でした。

ラジカセも、コンポも、カーステレオもみんなカセットデッキが搭載されており、携帯式音楽プレーヤーもカセットを再生するメカメカしい装置。

カセットテープは磁器テープ部が触れる箇所にあるため、磁気テープを引っ掛けてしまうと飛び出してきてしまうため、取扱いに注意しなければならない点もあり、お気に入りの音楽を編集したオリジナルカセットテープをゴミにしてしまった経験がある人もいるのではないでしょうか。

また、カセットテープに使われている素材も使っていると引っ張られて伸びる性質があり、テープが伸びると楽曲の再生に影響があります。

何度も再生したお気に入りのテープが伸びてしまって、音程がフラフラと低くなるテープと化してしまうこともよくありました。

カセットデッキもまた、モーターの回転速度に影響を受けるため、決して安定した音楽再生ができるわけではありません。

このように現在の音楽再生プレーヤーのような高品質な音とは無縁の「カセットテープ」ですが、密かなブームが続いており、カセットテープの販売数は決して減っていないのだそう。

オーディオの世界では「真空管アンプ」が未だに人気があったり、「レコード」がプレミアム価格で取引されていたりと、時代をさかのぼるような現象がよく見られます。

この「カセットテープ」も、古き良きアナログ時代の産物として今後も細くて長~い需要が続いていきそうな気がします。

頭出しをしたらカウンターをリセットして、聞きたい曲の場所を探したり

オートリバース機能が付いていないデッキではA面、B面を裏返さなければならなかったり

A面とB面の長さが違うと、編集した曲の最後に長い無音の時間ができてしまったり

曲のない空白区間を飛ばす機能が付いていてもモーターで回転させて飛ばすため長時間待たなければならなかったり

カセットのツメを折ると書き込み禁止のプロテクト、上書きしたくなったらツメを折った穴にテープを張る

テープの張りが緩んだら、リールセンターに鉛筆を挿し込んで巻き取りたるみを取る

と、今のプレーヤーと比較するととても不便な音楽再生機でしたが、周りにあったものが似たような不便なものばかりだったためか、不満は特に持たなかった気がします。

「真空管アンプ」の音とも「レコード」の音ともまた違った趣のある「カセットテープ」の音を体感できる、カセットデッキやラジカセ、今でも入手できる製品はあるのでしょうか。

【TEAC CDレコーダー/カセットデッキ AD-RW950-S】

TEAC CDレコーダー/カセットデッキ AD-RW950-S

「TEAC」は日本のオーディオ機器メーカーの老舗であり、当時からAVマニアを中心に人気のあるテープデッキメーカーでした。

このカセットデッキは、単にカセットテープの再生をすることを目的としておらず、カセットテープに録音された音源や、その他アナログ機器からの音楽データなどをCDメディアにデジタル化して保存することが手軽にできるという特徴があります。

「カセットテープ」の音源は、内蔵のCDレコーダーでダビングすることが可能となっており、音楽用CD-R/RWへと簡単に録音することができます。

TEAC CDレコーダー/カセットデッキ AD-RW950-S

また、様々な入出力ラインを持っており、フォノ入力からアナログレコードプレーヤーの音源を入力すれば、レコードの楽曲を音楽用CD-R/RWやカセットテープへと録音することができます。

TEAC CDレコーダー/カセットデッキ AD-RW950-S

直接パソコンに接続するUSBポートなどはありませんが、一旦CDに保存してしまえば、劣化のないデジタル音源となりますので、カセットテープやレコードのデータ保存用などに役立ちます。

カセットデッキとしての機能もオーディオ専用メーカーの商品というだけあって豊富です。

とにかく手軽にデジタル化したいという人にはおススメな「TEAC」のカセットデッキです。

【TEAC ダブルオートリバースカセットデッキ W-890RMK2-S】

TEAC ダブルオートリバースカセットデッキ W-890RMK2-S

日本のオーディオ機器メーカーの老舗である「TEAC」のダブルデッキ、CDレコーダーは搭載しておらず、倍速ダビングや2本のテープへ同時に録音するパラレル録音機能などダブルカセットデッキとしての機能に優れた商品です。

装備しているインターフェースはLINE-INとOUTのみのシンプルなものですが、マイク入力端子をフロントに装備しており、外部入力とのミキシング録音は可能です。

TEAC ダブルオートリバースカセットデッキ W-890RMK2-S

CDドライブを搭載しておらず、音源のデジタル化には対応していないため、純粋にカセットテープの再生・録音を楽しみたい人向けの商品ですね。

メーカーからは生産完了のアナウンスが発表されていますので、入手できるのは市場在庫のみとなります。

【パナソニック ラジオカセット RX-FS22A-K】

パナソニック ラジオカセット RX-FS22A-K

大手電機メーカーで「ラジカセ」をつくり続けるパナソニックのレトロなラジカセ、ラジオチューナーもアナログのダイヤル式ですが、スピーカーはふたつ搭載されており、ステレオ再生が可能です。

カセットデッキにオートリバース機能は付いていませんので片面再生が終わり、自動停止したら、カセットを取り出して反対面をセットします。

また、曲の頭出し機能もありませんので、再生中に早送り・巻き戻しボタンを押しながら、キュルキュル音がなくなったら指を離します。

対応したカセットテープは「ノーマルポジション」のみで「ハイポジション」や「メタルポジション」には対応していないので高音質テープの特性を活かすことはできません。

「テープ再生」やラジオ再生を普段使いする人向けのパナソニックのレトロなラジカセです。

ステレオ再生が必要ないという人には、さらにシンプルでリーズナブルなモノラルの「RX-M40A-H」という機種も存在します。

【パナソニック ポータブルCDラジカセ RX-D47-S】

パナソニック ポータブルCDラジカセ RX-D47-S

先程のレトロなラジカセよりも少し近代的な「CDラジカセ」は、ラジオ、カセットの他にフロントローディングのCDドライブがついており、音楽用CD-R/RWの再生が可能。

パナソニック ポータブルCDラジカセ RX-D47-S

CD-DAで記録され、録音終了時にファイナライズ(再生対応機器で再生できるように処理すること)された音楽用CD-R/RW再生に対応していますがMP3の再生はできません。

その他、おやすみタイマー・おめざめタイマーなどのタイマー機能や、ラジオがワンタッチで選局できるFM/AM各16局プリセットメモリー、音楽再生の音質が選べるイコライザー機能などが搭載されています。

パナソニック ポータブルCDラジカセ RX-D47-S

CDには録音機能がありませんので、カセットテープデータのデジタル化はできません。

【ソニー CDラジカセ SDカードに録音可能 CFD-RS501】

ソニー CDラジカセ SDカードに録音可能 CFD-RS501

ソニーのCDラジカセはSDカードスロットがついており、32GBまでのSDHCカードにデータを保存可能、ソニーらしくメモリースティックデュオにも対応しています。

様々なメディア同士の録音がフレキシブルにできるようになっており、

・カセットテープからメモリーカードへ
・CDからメモリーカードへ
・ラジオ番組をメモリーカードへ
・CDからカセットテープへ
・メモリーカードからカセットテープへ
・ラジオ番組をカセットテープへ

と、自由自在にメディア間のデータ移動ができるようになっています。

CD再生はMP3やWMAなどのフォーマットにも対応、メモリーカードが使えるなど、パソコンと親和性の高いCDラジカセです。

【オーム電機 USBステレオラジカセRCS-U800M】

OHM USBステレオラジカセRCS-U800M

オーム電機のステレオラジカセは「USBメモリー」が接続できる、CDプレーヤーは搭載しておらず、カセットからUSBメモリーへの録音に対応しています。

ジェネリック家電メーカーらしく、必要な機能だけをまとめたリーズナブルなラジカセで、CDプレーヤーがないだけに、とてもくコンパクトにまとまっています。

OHM USBステレオラジカセRCS-U800M

ラジオとカセットテープの再生に加えて、USBメモリーの音楽データ(MP3)の再生、カセットテープへの録音は録音マイク(内蔵)からとラジオから、USBメモリーからカセットテープへの録音には残念ながら対応していません。

USBメモリーへの録音は、カセットテープとラジオと録音マイク(内蔵)に対応しています。

音質はそれほど期待できないですが、カセットテープの音源を手軽にMP3化できるUSBメモリーが使えるステレオラジカセです。

カセットデッキは普通にラジカセとして使いたい場合と、アナログデータをデジタル化したい場合で必要な機器の選択が変わってきます。

アナログ音源をデジタル化したい場合は、いくつかの選択肢がありますが、価格帯がかなり違うので求める音質によりお勧め商品が変わってきますね。

ラジカセも相次ぐメーカーの撤退で選べる機種も少なくなってきています、信頼できる大手家電メーカーや音響機器メーカーには採算が取れる限り生産を続けていただきたいものです。

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